トドマツで、建てる——林業と建築をつなぐ「やわらかな木造オフィス」
取材とテキストで参加しました。
北海道を舞台に、これまで建築の主材には用いられなかった樹種でオフィスを建てる挑戦。その背景には、日本の林業や製紙業、また建物づくりの「これまで、いま、これから」が深く関わっています。
良い木を育てる人、優れた木材にする人、それを活かした建物を設計する人と、組み上げる人。さまざまな方から学びながら関わった一冊です。手にしてくださった方々にとっても、ここで語られる領域を超え、広く「つくること」や人の営みを考えるきっかけになれば幸いです。
北海道を中心に、まもなく良木の大規模な収穫期を迎えるトドマツ。トドマツを建築の主材に用いる大胆な試みは、意外にも紙づくりを原点に持つ企業の「社有林」から始まった―。林業、製材業、木に挑む建築家たちがつながり、柔らかな思考としなやかな実行力で、森林資源活用サイクルを未来へ動かす。
目次
- はじめに
- chapter 1 トドマツを知っていますか?
- 実は「松」じゃない? /人とトドマツの関係/地道な努力をつなげ、新しい魅力を
- column|日本の森の、いまむかし●山の肥やしは草鞋の藁
- chapter 2 トドマツで、建てる
- 下川町のトドマツオフィスについて|内海 彩
- 連綿と続く森林活用の新局面/領域を超えたつながりで、資源を活かす/木の建築家と共に/新しい木の建物、新しい街づくり/課題1 木材の乾燥/課題2 太材なしでも、雪国の建物をしっかり支える/大型建築、多層建築への可能性/無垢材と再構成材/地域の資源や知恵も活かす/北の大地から明日を描く/トドマツ建築で始まる、もうひとつの資源研究
- column|森林資源の有機的サイクル●林業・製材・製紙の関係
- column|森林を浪費せず、放棄せず、継承する●これからの木造建築
- chapter 3 木を生かし、木を活かし、木と生きる
- 生業としての森づくり/森林資源の循環型プロセス「営林」/木の一生のはじまり/白銀に響く、収穫のこだま/伐り倒す瞬間にも、次の森林づくりを想う/狩人のような勇猛さ、耕作人のような丁寧さ/森の歳時記——明日へつなぐバトン/リサイクル以前の本流「サイクル」を考える
- chapter 4 未来に芽吹く種をまく
- 広がる「森林資源の活かしかた」/木質バイオマスの未来都市/地域発、森林と生きる国の先進モデル/木を新素材ととらえ、建築を考える/森林に育つ薬——薬用植物の研究
- おわりに
- appendix
- 建設資料/special thanks/本書の仕様
B5判変形|コーデックス装|片がんだれ表紙
価格:2,500円+税
総ページ数:156ページ(巻頭蛇腹折の写真ページ含む)
※用紙の一部にトドマツを原料とする紙を使用価格:2,500円+税
発行:トドマツ建築プロジェクト(NPO法人team Timberize・北海道下川町)
発売:株式会社ミシマ社
制作進行:ステュディオ・パラボリカ
編:トドマツ建築プロジェクト
文:内田伸一、内海彩(team Timberize/KUS)
写真:今井智己
アートディレクション:ミルキィ・イソベ(ステュディオ・パラボリカ)
エディトリアルデザイン:江藤玲子
レイアウト:林 千穂(ステュディオ・パラボリカ)
イラスト:小林系
印刷製本:図書印刷株式会社
印刷進行:石原真樹、藤川周子
造本進行:岩瀬 学
プリンティング・ディレクター:丹下善尚
発売:株式会社ミシマ社
制作進行:ステュディオ・パラボリカ
編:トドマツ建築プロジェクト
文:内田伸一、内海彩(team Timberize/KUS)
写真:今井智己
アートディレクション:ミルキィ・イソベ(ステュディオ・パラボリカ)
エディトリアルデザイン:江藤玲子
レイアウト:林 千穂(ステュディオ・パラボリカ)
イラスト:小林系
印刷製本:図書印刷株式会社
印刷進行:石原真樹、藤川周子
造本進行:岩瀬 学
プリンティング・ディレクター:丹下善尚